*

辰子(秋の思い出は暮れる――秋晴れ――)『僕らのタスク管理ストーリー ~あの季節を忘れない~』【創作の本棚】


――前説という名のあらすじ?――

辰子「やあやあ、辰子だよ。『創作の本棚』へようこそ。まずは前回のあらすじからいくね。秋編の最終回が待ちきれないあなたはここから本編に飛んでよね

美都「ついに今回で秋編もおしまいなのね」

辰子「ああ、早いもんだな。おまけにいろいろあったよなー。聖人はアレだし、六汰とはコレだし」

美都「ねえ、たっつー? アレとかコレじゃ、読者さんもわからないわよ」

辰子「だって、あんまり思い出したくないんだもんなあ。まあ、詳しく知りたいあなたは、ここから前回のお話を読んでおくれ。さあ、ついに秋編の最終回だよ。いざお芝居の開幕だ!」

 

本編1――秋晴れ(現在)――

 

「わたし、あのあと六汰さんに会ったのよ。彼ね、辰子を傷つけたこと後悔してたわ。それでね、あのときのハンカチを預かっていたの。すっかり渡しそびれていて、ごめんね」

美都がテーブルに爽やかな青い包みを置いた。アタシが包みを開けると、中からハンカチが出てきた。その色は、六汰の血のように鮮やかな赤。

「ふーん」

「あら? あまり興味ないみたいね」

「まあね。だって、もう六汰とはなんでもないもんな。あいつにも言ったけど、過ぎた季節は戻らないんだよ」

「そういえば、このまえ聖人さんにも会ったのよ」

ぶっ。アタシは思わず紅茶を吹き出した。

「なんだって!? あの聖人にか?」

「そう、あの聖人さんよ」

「まさか、また声をかけてきたんじゃないだろうな、あの野郎」

「ふふふ、そのまさかよ。街中を歩いていたらね、わたしだと気がつかずにナンパしてきたの」

「なんだい、あいつは本当に間が悪いやつだな。それでどうしたんだ?」

「しばらく気がついてなかったから、気があるフリして話を合わせてたの。そしたらね、遊びに行こうって言うから、また無理矢理ホテルに連れて行ったら嫌よって言ったのよ。そこでようやく気がついたみたいで、すっかり慌ててたわ」

「そりゃね、いくらあいつでも慌てるだろうね。で、そのあとは?」

「急に態度を変えて、あのときは出来心だったんだ、すまない。心を入れ替えたから、良かったらもう一度やり直せないか、なんて言ってくるからね……」

美都はそう言うと、紅茶に口をつける。紅い唇が鈍く光り、カップの端に怪しい跡を残した。アタシはその様子に色気を感じて背筋がぞくりとする。

「地面と仲良くやり直しなさい、ってぶん投げてやったわ」

ニコリと笑うその顔は、高校生のころのように無邪気に見えた。しかし、その中身はもうあのころの美都ではない。したたかさを内包している。

「あんたもずいぶん変わったもんだねえ」

「そりゃあね。あんな経験すれば変わりもするわよ。女は強いんだから」

そう言うと美都は力こぶを作ってみせた。大学で柔道をはじめたというウワサは本当だったのか。それを聞いたときは、あの美都がと思ったものだけど、今なら納得する。女は、いや、美都は強いんだな。アタシも強くならなきゃな。

さてとそろそろ出ようか、そう言うと美都は立ち上がる。アタシも立ち上がり支払いを済ませた。外に出る前にアタシは傘立てに目をやる。赤い傘を抜き取ろうとして手が止まった。もうこれは必要ないね、そうつぶやくとアタシは傘に赤いハンカチを結びつけて傘立てに戻す。雨はいつの間にか上がっていた。

アタシが歩き出すと、美都が後ろからついてくる。道の端には水たまりができて、青空を映している。そろそろ寒くなってきたな、アタシがそう考えながら歩いていると、ふわりと背中に暖かな感触が伝わる。アタシの頭と身体が高校生のころに戻った。セーラー服を着ていたころ。まだこの世界には薔薇色があふれていると信じていたあのころ。美都はアタシの背に抱きついたまま、耳元で高校生のようなみずみずしい声で囁く。

「わたしたち、また会えるよね?」

「なんだい美都? 藪から棒に。いつでも会えるよ」

「ふふふ、良かった。じゃあまたね。『たっつー』」

「ああ、またな。『ミント』」

ミントはクルリと振り返ると、青い傘を手に軽やかに駆けていく。その姿は秋晴れを連れて行く妖精のようだ。

「秋が終わるのね」

アタシはそうつぶやくと、コスモスが彩る道を歩きはじめた。

【秋は終わり、季節は移り変わる。静かに燃える冬がはじまる】

 

――CM――

 

辰子「今回も僕タスを読んでくれてありがとう。じゃあ、恒例の宣伝をはじめるよ。このCMコーナーは、タスク管理に役立つ情報や、本編に出てきた物を紹介する場なんだ。本編とは無関係なので、読み飛ばしても大丈夫。気軽に読んでね」

美都「たっつー、季節の移り変わりって、なんだかさみしいね」

辰子「まあなー。でも、ミント。あんたなら大丈夫だろ」

美都「あら、わたしならってどういう意味?」

辰子「アタシより強いってことだよ。さあて、今回も宣伝はじめるよ」

 

 

辰子「じゃーん! なんと僕タスにアイキャッチ画像ができました! 上のこれは秋編のアタシで、下のは夏編の六郎と冬編の律子ちゃんと春編の三人集まったヤツだよ」

 

 

美都「たっつー、かわいいー♡ あれ? わたしは?」

辰子「それは予算の関係で、ごほんごほん。えっと、この素敵なアイキャッチ画像を描いてくれたのは、あのふじもなおのアトリエの似顔絵イラストレーターふじもなおさん(@atelier_monao)だ。作者の人のアイコンもふじもなおさんに描いてもらったんだよ」

美都「ホンモノの五割ましというウワサの、あのかわいい似顔絵ね」

辰子「ミント。あんたもしかしてイラスト描いてもらえなかったから、作者の人を恨んでるの?」

美都「やーねー、たっつーったら。そんなわけないじゃない(にっこり)」

辰子「その笑顔が怖い……。というわけで、秋編は今回でおしまい」

美都「みなさん、おつきあいありがとうございました」

辰子「次回、冬編をお楽しみに!」

 

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。

 

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2014/04/27 | タスク管理, 出版, 創作,

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