小説家志望ブロガーとし(@toshi586014)です。
今回は、わたしが書いた小説を掲載します。【創作の本棚】と題して、今後も自分で書いた小説を掲載する予定なので、お楽しみください。
前回のお話はこちらです。
あずきちゃんと虹色クレヨン
絵 ふじもなおさん(@atelier_monao)
~折れた黄色のクレヨン3~
「おい、あずき! あずきはこの世に生まれてきた時は、何になりたかった?」
「えっ? そんなのわかんないよ。多分、なにも考えてなかったと思う」
「それもそうか。じゃあ、質問を変えよう。あずきは、どうして絵を描きはじめたんだ?」
そう言われて、あずきちゃんはハッとしました。どうしてわたしは絵を描きはじめたんだろう? あずきちゃんは過去の記憶を探し求めました。小学校で絵を描いていたこと。幼稚園で絵を描いていたこと。入園前に絵を描いていたこと。過去にさかのぼるほど、記憶が曖昧になって映像が暗くなります。
あずきちゃんは、前に見た映画を思い出しました。一隻の宇宙船が、遠い宇宙の星を目指して地球を旅立ちます。最初は太陽の明かりに照らされていますが、太陽から遠ざかるとだんだん暗くなっていきます。やがて宇宙船は、真っ暗になった宇宙を進みます。なんの頼りもなく、手探りのような状態で。
あずきちゃんは、真っ暗な宇宙の中に、かすかな明かりを灯す星を見つけたようです。記憶の中からすくい上げた気持ちを答えました。
「うーんと、うーんと、わたしの絵を見たヒトが笑ってくれるからかな?」
「どうしてあずきは、自分の絵を見たヒトが笑ってくれると絵を描くんだ?」
「うーん……なんでだろう? わかんない」
「そうか。今はここまでにしておこう。いいか? あずき。自分が、なぜ絵を描きはじめたのか。なんのために絵を描くのか。その答えを見つけた時、きっともう一度絵を描けるようになる。先生はそう思うぞ。」
「先生、わたし描けるようになるかな? もう一度、描けるようになるかな?」
「ああ、なるさ! なんたって、あずきは絵を描くことが大好きなんだろ? そう言って草介を黙らせたんだろ? あの藍子が、あずきには一目置いてるそうじゃないか」
あずきちゃんは、照れくさそうにして横を向きました。そこには、キンちゃんとコツちゃんが静かに立っています。あずきちゃんは、二人の絵を描いていたことを思い出しました。あずきちゃんの隣には、みかんちゃんがいます。あずきちゃんとみかんちゃんは、二人を主人公にしたお話を描いていました。
『子どもが大好きなキンちゃんとコツちゃん。二人はいつしか意思を持ち、動き出すようになりました。
そして、ひっそりと子どもたちを守っているのです。ある時は危険な川で溺れそうになる子を助け出し、またある時は事故にあいそうになった子を救い出します。
しかし、いつしか学校の周りに噂が立ちます。人体標本と骨格標本が化けて、夜な夜な街をさまよっているらしい。しかも、子どもをさらって、あの世へと連れて行くのだ、と。
キンちゃんとコツちゃんは、とても悲しくなりました。なぜなら、二人は子どもたちが大好きだから。
それでも、キンちゃんとコツちゃんは子どもたちを守り続けます。誰にも認められなくても、誰かに何か言われても。大好きな子どもたちの笑顔のために、二人は喜んで危険にも立ち向かうのです』
「キンちゃん、コツちゃん。わたしたちのことも見守ってくれる? わたし、自分のことを見つめて答えを探すから。もう一度、絵が描けるように答えを探すから。答えを見つけたら、絵を描けるようになったら、また二人のお話を描きたいな」
しっかりと決意を固め、あずきちゃんは二人を見つめました。キンちゃんとコツちゃんは、あずきちゃんの問いに応えることなく静かに佇んでいます。しかし、その顔は、あずきちゃんを優しく見守っているようでした。
【次のクレヨンへ続く】
晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。
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