信号


フリー写真素材ぱくたそ

信号ってありますよね。

ええ、さようでございます。あの赤、黄、青のピカピカ光る、道路にどーんとつったってるアレでございます。

ところでお客さんがたは、なぜ信号の青を『あお』と呼ぶかご存知ですか?

そうでしょ? ありゃ、どうみても緑色なのに、みな『あお』と呼んでいる。不思議なものでさあ。その理由なんですがね、なんでも、昔の日本語では緑色のものを青色と呼ぶことが多かったからとかなんとか。

へんなものですねえ。色はただそこにあるだけでなにも変わらないのに、言葉が変われば色まで変わっちまったように感じるなんてね。

おっと、話がそれちまいました。

信号の話でしたね。

それにしても、信号ってやつも不思議なものでございます。ただの色がついた光なのに、パッとついたら人や車がだーっと動きだすし、パッと消えたら人や車が一時停止のビデオテープとばかりにピタッととまっちまう。

ま、たまにはいうこと聞かないでドーンといっちまうやからもおりますが、たいていは信号サマに素直に従ってます。おっと、そこのあなた。目をそらしたってことは、もしかして……。

なんてね。そんな不粋なことはここでは申しません。

えっ? あたしゃあもちろん、生まれてこのかた信号無視なんてしたことはございませんよ。なにしろ、お上と信号サマにゃあ、逆らえませんもの。

えっ? また話がそれてるんじゃないかって。おっと、そうでした。うちのカミさんにもいつも言われるんですよ。あんたの頭は掘りつくされた炭鉱みたいだ、ってね。ある日、そいつあいったいぜんたいどういう意味なんだい? ってあたしがたずねると、カミさんときたらこう答えるんでさ。

あっちこっちに道が伸びて寄り道だらけってことだよ。

うちのカミさんも、なかなかうまいこと言うもんでしょ。おっと、だれだい? 掘りつくされた炭鉱なら中身もスッカラカンにちがいない、だなんて言ってんのは? しかも、お客さんにそんなに笑いをとられちゃあ、こちとらかたなしでございますよ。

ああ、そうでした。信号の話でしたね。ええ、大丈夫ですよ。こんどこそ本題でございます。

犬があるくと棒に当たるといいますが、あたしがあるくと信号でとまるのでございます。

赤いのがピカーッと光ってるのを見て、ピタッととまるわけですが、身体はとまっても心はとまらねぇわけです。ついついアレコレとやくたいもないことを考えちまうんでさ。あの雲は犬みたいだから棒に当たるんだろうなとか、テントウ虫がみんなお天道様になったらあかるくていいやねとか。でもね、きまって最後には、カミさんに叱られたことを思いだしてショボーンとなるわけでさ。

そんなこんなしていると、いつのまにかこっちにひとり、あっちにもひとり、あらあらそこにもひとり、ってえぐあいに信号待ち仲間が増えてくるわけです。いやはや、旅は道連れ世は情けといいますが、信号待ちのあたしは道のハズレで世にも情けない感じなワケでございます。

あたしが落ちこんでいても、そんなことはおかまいなしに時間はとうとうと流れるわけで、いつか信号がかわるときがやってきます。パッと青信号が光るのを合図に、信号待ち仲間がいっせいに歩きだすわけです。ゆく人の流れは絶えずして、またもとの流れにあらずってやつです。

日々、そうやって流れていくのでございますが、たまにおもしろいことがありまして。

どんなことかといいますと、信号待ち仲間のひとりが、信号が青にかわるまえに歩きだしちまうってえパターンです。

なんだ、そんなのよくあることじゃないかって? たしかによくある話なのですが、これがなかなか不思議なものなのでございます。

さきほども申し上げたとおり、あたしは信号待ちでボンヤリしてるわけです。そんなときにとなりのひとが歩きだすと、うっかりつられてあたしもいっしょに歩いてしまうのです。

信号無視ラーの仲間入りくらいですめばかわいいものですが、そこにたまたま車でもやってきて、ドカーンとひかれちまっちゃあ目も当てられません。お客さんがたは、くれぐれも信号待ちのボンヤリにはご注意くださいね。まあ、みなさんくらいしっかりしてたら大丈夫でございましょう。って、言ったとたんにキリッとした顔をなさったあなた。そう、そこのあなたです。あなたは気をつけたほうがよろしいようで。

いやあ、それにしても人間の行動ってやつあ、不思議なものでございますねえ。たまたまとなりに立っているひとがヒョイと歩くだけで、生まれてこのかた信号無視なんざしたことないあたしに、あっさりと信号無視をさせちまうんですから。

踊る阿呆に見る阿呆といいますが、あたしなんて気がついてないうちに踊らされちまってるんでしょうねえ。なにしろ、あたしの頭は掘りつくされた炭鉱みたいにスッカラカンですからね。

オチがついたところで、本来なら落ち着いてしめるとこですが、最後にもうひとことだけ。

『このお話は、もちろん比喩でございます』

おあとがよろしいようで。

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。

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とあるアプリ開発者の憂鬱。今日はいい天気だから、たまには弱音を吐いてみよう。

弱い音と書いてよわねと読む。それはどんな音だろう?

先日リリースしたこぱんたっぷAR というアプリは、無料セールをしましたが20ダウンロードくらいです。

こぱんたっぷAR
カテゴリ: ゲーム, アクション, エンターテインメント, ファミリー
価格: ¥120(記事掲載時)

あまりのすくなさに、ストアから取りさげようかと思うくらい落ちこみました。自分では、ARをうまくつかったおもしろいゲーム体験だと思うのですが……。

昨年リリースしたパンダクリンARも、惨憺たる結果です。アイデアはおもしろいと思うのですが、1年間で数10ダウンロードというあまりにも悲しい状態です。

パンダクリンAR 〜ぱぱんだっこと一緒にお片づけ〜
カテゴリ: ライフスタイル, 仕事効率化
価格: ¥240(記事掲載時)

プロダクトそのものがダメなのか、エッジが立っていないのか、プロモーションがダメなのか、そもそも需要がなさ過ぎるのか……。

理由はわかりませんが、数10ダウンロードです(切なすぎるので二度いいました)。

個人アプリ開発者の苦悩はつづきます。

まるでかげろうの羽音のように

個人開発アプリは、マーケティングが大事です。

なにしろ、App Storeにはたくさんのアプリがありますし、アプリを知られないことは存在しないことと同じです。

とはいえ、まずはプロダクトありきです。アプリ自体がよくなければ、いくらマーケティングに力を入れても、ダウンロードしてもらえないでしょう。わたしがアプリをつくるときは、そのときどきの全力でよいアプリにしようと手をつくしています(実力が足りなくて、泣く泣く機能追加をあきらめることはありますが)。

また、わたしがつくるアプリはニッチなものです。

個人開発だからニッチを狙っているという面もありますが、アプリのアイデアの出し方にもその理由があります。まず、自分の周囲5mくらいのテーマを元に、アイデアのタネを集めます。そして、そのタネを、100mくらいまで届くように育てます。このようにしてアプリを開発しているので、ニッチなものになります。

こうして完成したアプリですから、とても愛着があります。

愛着があるので、「みんなー、このアプリを使って! 遊んで!」という気持ちがあふれて、自然とプロモーションにも力がはいります。

わたしがプロモーションをするときには、プロダクトそのものの情報はもちろんですが、プロダクトにまつわる技術やストーリーもだすようにしています。とくに、ストーリーは重視しています。なぜかというと、自分自身がプロダクトのストーリーを読むのが好きだからです。

こぱんたっぷARについて書いたこちらの記事でも、アプリの紹介だけでなく、アプリができあがる過程のストーリーを書いています。

こうやって、あらためて自分のマーケティング方法を見なおしてみると、わりと力をいれてるなと感じます。しかし、冒頭で紹介したように、まったく実績がついてきてなくて泣きそうになります。

それは暑い夏のまぼろしのような

毎回、「こんどのアプリはいける! すごくいける!」と思いながら、アプリをリリースしています。そして、ダウンロードがすくなすぎて落ちこむ、というパターンをくりかえしています。

なにが足りないのかわかりませんが、試行錯誤しながらやっていくしかありません。なにしろ、人生には必勝法はないのですから。

唯一の救いは、アプリ開発が楽しいということです。

何ヶ月もかけてつくったアプリが数十ダウンロードなんて、楽しくなかったらぜったいつづけられません。

たとえかたつむりのような歩みでも

と、泣き言ばかりつづりましたが、数十人ものひとがダウンロードしてくれてるんですから、ありがたいことです(なかには、お金をだしてまで買ってくれてるひともいるのです!)。

どこのどなたか存じませんが、感謝しています!

というわけで、落ちこんだりもしたけれど、たくさんのひとたちに支えられて、わたしは元気にアプリ開発してます。

遅れていますが、アプリ開発本の執筆も元気にやっています。本を書くのはすごく大変ですが、やっぱりおもしろいです。

スペシャルサンクス

倉下さんメルマガ – R-styleに『ノンマーケター・マーケティング』というコーナーがあります。タイトルどおり、マーケターでないひと向けのマーケティングについて書いているコーナーです。

メルマガを読んでいろいろ感じることがあったので、Twitterにつぶやきを放流しました。今回の記事は、それらのつぶやきを再編集したものです。

いたのくまんぼうさんのこちらの記事『【Unite 2017 Tokyo】いかにして個人制作ゲームで生きていくか〜スマホゲームレッドオーシャンの泳ぎ方〜 講演動画公開されました。』も、個人アプリ開発者として、とても参考になります。

『千里の道も一歩から』を胸に、これからもアプリ開発者としての千里坂を歩んでいきます。

 

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。

 

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あなたのiPhoneで、不思議な世界をのぞいてみませんか? タップだけの簡単操作で遊べるキュートでポップなアクションゲーム『こぱんたっぷAR』をリリースしました。

祝! こぱんたっぷARリリース!

こちらの記事で告知したように、本日、最新のiOS11に対応した『こぱんたっぷAR』をリリースしました。

こぱんたっぷAR
カテゴリ: ゲーム, アクション, エンターテインメント, ファミリー
価格: 無料(記事掲載時)

iOS11の目玉機能のひとつである『ARKit』をつかった、ちょっと不思議なAR(拡張現実)アクションゲームです。

こぱんたっぷARはこんなゲームです

あなたの周りでこんなことがありませんか?

こどもパンダの遊び声が聞こえるけど、周りを見てもパンダがいない。

笹団子を置いてたら、いつのまにかなくなっていて、お皿のまわりにこどもパンダの肉球のあとがある。

部屋のなかにタイヤをぶらさげておいたら、なぜかはげしく揺れている。

これは、こどもパンダの『こぱん』が、あなたの周りに遊びにきている証拠です。おとうぱんの代わりに、現実世界に遊びにきた『こぱん』たちをつかまえて、元の世界へと帰してあげましょう。

こぱんたちの姿が見えないからつかまえられない?

ご安心ください。こぱんたちは、iPhoneのカメラで見ることができます。iPhoneを動かしてあなたの周りにいるこぱんたちを探して、タップでつかまえちゃいましょう。

iPhoneだけで体験できる、ちょっと不思議な世界をお楽しみください。

遊びかた

このゲームの遊びかたは、とっても簡単です。

1.iPhoneを顔のまえに構えて、ゲームを開始します(はじめて遊ぶときは、カメラの使用を許可してくださいね)。

2.iPhoneを上下左右に動かして、あなたの周りに遊びにきたこぱんを探します(はげしく動かすと危ないよ。まわりに気をつけてね)。

3.こぱんを見つけたら、タップでつかまえます。

楽しいふたつのゲームモード

ゲームモードはノーマルとタイムアタックのふたつ!

ノーマルモードは、制限時間内にできるだけたくさんのこぱんをつかまえます。たくさんつかまえたら、おとうぱんも大喜びです。

タイムアタックモードは、10こぱんをできるだけ早くつかまえます。友達と競争して楽しんでください。

楽しいおまけも

海や山、さらに宇宙まで!? いろんな場所でこぱんが七変化しちゃいます。

シェア機能をつかって、こぱんをつかまえた瞬間を投稿しよう。かっこよくつかまえた写真や、おもしろい写真や、はたまた奇跡の一枚が撮れるかも!?

本編とおなじくらいハマる!? ミニゲームもあるので、探して遊んでくださいね。

ストーリー

P.C.2017年のある晴れた日のことです。

お父さんパンダの『おとうぱん』は、こどもパンダの『こぱん』たちを連れてお散歩していました。笹が丘にさしかかったとき、ひとりのこぱんが地面が光っているのを見つけました。なんだろう? と思ったこぱんは、光の場所に近づいていきます。

そのとき、光に近づいたこぱんが地面にすいこまれてしまいました。ほかのこぱんたちもおなじように近づいたものですから、みんなすいこまれてしまいました。

おとうぱんはびっくりして、光に近づいていきました。そこには、長方形の鏡が落ちています。おそるおそる拾ってのぞいてみると、鏡のむこうの世界でこぱんたちが楽しそうに遊んでいるではありませんか。おとうぱんは、こぱんたちを迎えにいくために鏡にはいろうとしますが、おおきなおなかがつかえてはいれません。

困ったおとうぱんは、鏡にむかっておおきな声をだしました。

「おうい、だれか〜。この声が聞こえたら、こぱんたちを連れもどしてくれないか〜」

そのときです、鏡のむこうにおおきな手があらわれました。その手は、こぱんたちをひょいひょいとつかまえていきます。おとうぱんはよろこびました。

「ありがとう、ありがとう。どうか、そちらへ遊びにいったこぱんたちを、みんな連れもどしてくださいな。そうです、この鏡をのぞいているあなたにお願いしています」

どうやら、おとうぱんの鏡の世界とあなたのiPhoneがつながってしまったようです。おとうぱんの願いをかなえるために、あなたのiPhoneでこぱんたちをみんなつかまえてくださいね。

謝辞

このアプリで使用している音楽や効果音は、以下のサイトのサウンドを使用しております。素敵なサウンドをありがとうございます!

魔王魂さま

全曲無料・フリー音楽素材/魔王魂

効果音ラボさま

効果音ラボ – フリー、商用無料、報告不用の効果音素材をダウンロード

iOS11リリース記念に、無料セールをしています

iOS11リリース記念に、期間限定無料セールをしています。

こぱんたっぷARで遊んで、ARっておもしろいかもと思っていただければ幸いです。そして、アップルが力をいれているAR機能が盛りあがるきっかけになれば、いち開発者としてとても嬉しいです。

開発チーム紹介

最後に、こぱんたっぷARの開発チームを紹介します。

妻:イラスト、デザイン、翻訳、アドバイザー

七歳児:「こぱんたっぷで遊びたいな〜」

四歳児:「あたちもあそびた〜い」

一歳児:「おうっ、おうぅ!」(iPhoneの画面をさわりながら)

わたし:企画、デザイン、プログラム、テスト、マーケティング

『こぱんたっぷAR』は、わが家で大人気のゲームアプリです。ぜひこの記事をご覧のあなたも遊んでください。

こぱんたっぷAR
カテゴリ: ゲーム, アクション, エンターテインメント, ファミリー
価格: 無料(記事掲載時)

 

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。

 

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本を出版しました!

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ARKitをつかったARゲームアプリ『こぱんたっぷAR』を9月20日にiOS11と同時リリースします。


こぱんたっぷAR
カテゴリ: ゲーム, アクション, エンターテインメント, ファミリー
価格: 無料(記事掲載時)

ARKitとは?

ARKitとは、iOSでAR(拡張現実)を簡単につかえるようにするための仕組みです。

アップルが開催した、WWDC2017という開発者向けカンファレンスで発表され、iOS11から一部の機種(対象の機種については『【iOS 11】Appleが推す「拡張現実」に一部機種は非対応 | AppBank – iPhone, スマホのたのしみを見つけよう』をご覧ください)でつかえるようになります。

iPhoneに内蔵しているカメラやセンサーを駆使して現実空間を認識して、任意の位置にアンカーという目印をつけることができます。たとえば、『iOS 11の「ARアプリ」は、iPhone 6s以上のデバイスでしか使えないらしい | かみあぷ – iPhoneひとすじ!』で紹介されているデモでは、机の上にアンカーで目印をつけて、その場所にコーヒーカップを置いています。

わたしは、『パンダクリンAR』というARをつかった位置合わせゲーム感覚お片づけアプリをリリースしていることもあり、ARKitが発表されたときに興味をひかれました。

パンダクリンAR 〜ぱぱんだっこと一緒にお片づけ〜
カテゴリ: ライフスタイル, 仕事効率化
価格: ¥240(記事掲載時)

どんなアプリをつくろうかな?

WWDC での発表を見たときにまず考えたのは、「ARKitを使ったアプリを開発してみたい」でした。しかし、つぎに頭にうかんだのは「ARKitを使う理由がキチンとあるアプリ、もっというと、ARKitだからこそできるあたらしいアプリ体験をうみだしたい」でした。

あたらしい技術をみると挑戦したくなるエンジニアは多いと聞きます。わたしもそのひとりで、あたらしい技術をみるとワクワクして、自分で試してみたくなります。

とはいえ、せっかくARKitというおもしろそうな技術をつかうのですから、ARKitならではの体験ができるアプリをつくりたくなります。

というわけで、WWDCのセッション動画をみたり、アップル公式ドキュメントを読んだり、ARKitをつかったサンプルアプリをつくったりしてARKitの勉強をしながら、あたらしいアプリのアイデアをねりねりしていました。

余談ですが、このときに書いたARKitについての記事はこちらです。ARKitに興味があるかたはご覧ください。

WWDC2017のデモアプリみたいに、ARKitとSpriteKitをつかってSKNodeをタップしてみた – Qiita

ARKitでつくったAR空間上に置いたSpriteKitのSKNodeをアニメーションで動かす方法 – Qiita

まずは、いままでEvernoteにため込んだ300近いアプリのアイデアをぜんぶ見直しました。それらのアイデアにARKitという調味料をふりかけることで、あたらしい味の地平が開けないか? と考えながら。また、App Storeでいろんなアプリをながめたり、日常生活のいろんな場面でヒントを探しました。

ひらめいた!

そんなある日、ついにひらめきました!

それは、Twitterをながめているときのことです。タイムラインにおいしそうな肉料理の写真が流れてきました。いわゆる飯テロというヤツです。

その写真を、おいしそうだなーとボンヤリ眺めていましたが、そのときにピンときたのです。

飯テロ写真をつくるアプリ、名づけて『ARグルメカメラ』を開発しよう、と。

というわけで、さっそく『ARグルメカメラ』の開発をはじめました。

うーん……

開発をはじめてしばらくして、なんとなく試作品ができたころのことです。

わたしは開発中の『ARグルメカメラ』アプリをつかって、飯テロ写真を撮っていました。

お茶碗に盛ったごはんの横に、肉料理の写真をARで置いて、写真に撮ってみました。まだ試作品なので、いろいろアラはありますが、雰囲気は伝わってきます。よしよし、この調子でいけそうだ。そう思う一方でなにかがひっかかり、うーん……となりました。

おもしろそうなアプリなのに、なぜかあまり気乗りしない。なんでだろう? しばらくうんうんうなりながら考えて、その理由がわかりました。

その理由とは、『自分では、飯テロ写真をしないこと』です。

自分が楽しめることが基本

なーんだ、そんなことか。そう思われたかもしれません。しかし、わたしにとっては大事なことです。

ドッグフーディングという言葉があるように、自分で開発したアプリを自分で使うことは、意外と大切です。なにしろ自分で使うのですから、不満点があれば解消したくなりますし、よりよい改善をすれば自分が楽しくなります。

それよりなにより、わたしは『自分も楽しめるアプリを開発したい』とつねに考えています。

もちろん、仕事で開発するアプリや、大ヒットを狙っていくなら、ちがう考え方が必要なときもあるでしょう(そうでないこともあるでしょう)。しかし、少なくとも、わたしが個人で開発するアプリに関しては、この考えが基本です。

『自分が楽しめるアプリ』という素材に、『ほかのひとも楽しめる要素』で味付けをする。そうすることで、自分も楽しめて、ほかのひとも楽しめるアプリができあがるのではないか。そう考えています。

というわけで、ふりだしにもどり、あらたなアイデアを求める旅が再びはじまりました。

答えはいつも目のまえに

そんなときにふと思いだしたアプリがあります。

それは、約2年前に開発していた『こぱんたたき』というゲームアプリです。かわいいパンダが登場するアプリ『ぱぱんだっこ』シリーズ初のゲームアプリとして開発していました。かなりつくりこんでいましたが、いろいろな理由があって開発を中断していました。

そうだ、こぱんたたきをARKitに対応すれば、おもしろいゲームアプリになるんじゃないだろうか!

そう考えたわたしは、さっそくお試しアプリをつくって遊んでみました。

これはいける!!

手応えを感じたわたしは、こぱんたたきARの開発に邁進しました。もとのアプリから持ってこれる部分もありましたが、ほとんど作りなおしが必要でした。しかし、こぱんたたきARがもつあたらしい体験に可能性を感じたわたしは、作りなおしをものともせず、ひたすら開発を進めました。

目標はiOS11と同時リリースです。

9月20日リリースします

というわけで、紆余曲折ありましたが、こぱんたたきARあらため『こぱんたっぷAR』は、9月20日にiOS11と同時リリースします。

無事にアップルの審査も通過して、いまは電子の世界でその出番を静かに待ち構えています。

冒頭の記事にもありましたように、ARKitの仕様で、iPhone SEとiPhone 6s以降の機種だけが対象となります。もし、対象の機種をお持ちのかたは、iOS11にアップデートをして、こぱんたっぷARで遊んでみてください。

こぱんたっぷARのキャッチコピーは、『あなたのiPhoneで、不思議な世界をのぞいてみませんか? タップだけの簡単操作で遊べるキュートでポップなアクションゲーム』です。

どうぞお楽しみに!

こぱんたっぷAR
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それはまるで宝物のように


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振り向けば輝いていたあの日

小学生一年生の七歳児と、いっしょに下校したある日。

七歳児は、すこしつかれているように見えた。

一年生のわりにしっかりしたその身体でも、ランドセルはおおきくて重そうだ。不慣れな学校生活の重みも、つかれた様子に拍車をかける。いくら学校が大好きでも、まだ一年生になったばかりなのだから。

その姿を見て、わたしは「抱っこしようか?」と七歳児にたずねた。しかし、返ってくる答えは「いいよ、いいよ。自分で歩くから」というものだった。

そのとき、ある思い出が鮮明によみがえった。

それは、七歳児がまだ幼稚園に通っていたころ(つまり六歳児だったころ)。

それは、卒園間近の思い出。

六歳児は、幼稚園に送っていくときに、ある場所まで来るとかならず「だっこ」といって抱っこをせがんだ。わたしは、毎日の送り迎えによる疲労と、抱っこするにはやや重たい六歳児の体重を考えて、すこしため息がでた。しかし、卒園すると、こうやっていっしょに歩くことも少なくなるだろう。そう思い、力をふりしぼって抱っこした。

抱っこをせがむときの六歳児のまぶしいほどの笑顔、触れあう肌から伝わる六歳児のぬくもり、全身にのしかかる六歳児の重み。すべてがなつかしく輝いている。

わたしはジワリと浮かびそうな涙をこらえて、重たいランドセルを背負いながらとなりを歩く子ども見る。

あのときの六歳児はもういない。
ここにいるのは、自分で歩くことを知った、成長した七歳児だ。
あのときの六歳児はまだいてる。
わたしの心にいるのは、抱っこで共に歩む、すこし甘えん坊な六歳児だ。

あのときの六歳児のまぶしいほどの笑顔、触れあう肌から伝わる六歳児のぬくもり、全身にのしかかる六歳児の重み。

そのすべてが鮮明に。
そのすべてがずっと。

わたしの心にある、大切なものをしまう箱のなかに。

〜Fin〜

番外編『それはまるで悪夢のように』

これはすべて実話である。

成長とともに姿を消し、まるではじめから存在しなかったようにふるまう、悪夢のような実話……。

今日も明日も終わらない寝かしつけ。
未来永劫つづく呪いのようなイヤイヤ攻撃。
ちぎっては投げ、ちぎっては投げられる離乳食。
おむつを替えた直後をねらいすましたかのようにとびだすう〇ち。
通じるようで通じない恋愛映画のようにもどかしいコミュニケーション。

わたしはジワリと浮かびそうな涙をこらえて、悪夢のようなこれらの過程をとおりすぎた七歳児を見る。

ひとりで寝てくれる。
ひとりでトイレに行く。
ひとりでごはんを食べる。

嗚呼、なんて楽チンなんだろう。
成長するって、いろいろステキ。

ビバ! 成長。

これはすべて実話である。
そっとしまっている実話。

わたしの心にある、本音をしまう箱のなかに。

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。

本を出版しました!

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