なぜぱんだなのか? 〜ぱぱんだっこはこうして生まれた〜

それは妻のひとことから

2014年春。わたしは悩んでいた。

ぱぱんだっこの試作となるアプリを開発しながら、わたしは悩みに悩んでいたのだ(ぱぱんだっこの原点となるアプリについては、前回の記事で紹介しているので、興味がある方は『アプリ開発という冒険のはじまり』をご覧いただきたい)。

アプリの目的は明確──子どもの体重を簡単に測ること──だ。それに関する機能もだいたい完成した。

そして、イクメンという言葉が世の中に出はじめたころであり、また、自分自身、育児をしていくなかで、世の中のパパたちに育児を楽しんでもらう方法を模索していた(その中のひとつが、前々回の『すべてはここからはじまった 〜ぱぱんだっこ伝説の誕生〜』に登場した、家族に関するグループブログ『ファミリーマネジメントジャーナル』だ)。それならば、このアプリでは、『体重を測る』という行為をとおして、パパと子どもがスキンシップをとるきっかけとなるようにしよう。そう考えていた。

ここまでは、いい。

しかし、そこでハタとわたしの手はとまり、悩みのループへと転がり落ちていく。

『パパと子どもがスキンシップをとるきっかけとなるアプリ』とは、どんなものなのか、と。

サーキットをひた走るレーサーのように、わたしの思考は同じところをまわりつづける。やがて、思考のルートを正確にトレースできるほどまわったとき、妻がぽつりと言った。

「ぱんだの絵にしたら? わたし描くよ」

『ぱぱんだっこ』誕生

そのひとことは、まさに新たな道を開いた。わたしの思考はコースを飛び出し、新天地へと、自由な思索の世界へと羽ばたいたのだ。

余談だが、妻は昔から絵を描くのが好きで、よく描いてみせてくれた。かわいい絵柄だけでなく、すこし風変わりな絵もあって、わたしはほっこりしたり、わくわくしたりしながら、妻の絵を楽しんでいた。

かわいい絵柄が、『ぱぱんだっこ』であり、風変わりな絵は、『肉めないニク』だ。興味がある方は、ぜひこちらのLINEスタンプをみてもらいたい。

ぱぱんだっこ – クリエイターズスタンプ

肉めないニク – クリエイターズスタンプ

余談(ついでの宣伝)おしまい。

それからは、とんとん拍子に開発が進んだ。

まずは、おとうさんぱんだの『おとうぱん』と、子どもぱんだの『こぱん』が誕生した。

おとうぱんとこぱんが、アプリのなかで、楽しそうに体重計にのったり、抱っこをしたりしている。チュートリアル画面でも、ふたりは大活躍していて、見ているだけでも笑顔がこぼれた。

これならきっと、子どもがぱんだのかわいい絵を指さしたり、パパが「ぱんだが抱っこしてるねー。同じように抱っこしてみようか?」と言って抱っこしたりして、自然にスキンシップができるだろう。

さらに、『パパが抱っこをする』『ぱんだ』というキーワードから、『ぱぱんだっこ』という名前が生まれた。

ちなみに、一番最初に考えていたアプリ名は『愛☆LOVE☆抱っこ』だ。いかにも昭和なセンスとダジャレがお気に入りだったのだが、ぱぱんだっこの前にあっさり破れ去ったので、ここに書いて供養しておこう。

ほかにも

パパと一緒にパン抱っこ
Daddy & Baby
BabyWeight
Daddy take me!

などの候補があったが、『ぱぱんだっこ』の語呂の良さと呼びやすさが一番だった。

そうこうするうちに、アプリのテーマカラーはかわいらしくクリームイエローに、そして、さし色は(ぱんだだけに)笹を連想する緑に決まった。

さらに、キャッチコピーも『赤ちゃんとのスキンシップを楽しむアプリ。パパと一緒に体重を測って子どもの成長を実感しよう』に決まった。

キャッチコピーも、名前と同じようにいくつも候補があった。たとえば以下のようなものだ。

かわいいあの子は何キログラム?
毎朝の習慣。歯みがき、ひげそり、ぱぱんだっこ。
簡単操作、かわいいぱんだ、子ども体重計算機『ぱぱんだっこ』
最近よく食べるね。そうだ、ぱぱんだっこで体重を測ろう。
子どもがiPhone片手にこう言いました「ぱぱ、いっしょに体重はかろう」「よーし、パパ、抱っこしちゃうぞ!」

どれもお気に入りであったが、アプリの機能と目的がストレートに伝わることを重視して、最終的には『赤ちゃんとのスキンシップを楽しむアプリ。パパと一緒に体重を測って子どもの成長を実感しよう』に決まった。

ぱぱんだっこ

長くなったので、そろそろこのあたりで終わろう。

このような経緯で、『ぱぱんだっこ』は生まれた。

いや、正確に言うと、『おとうぱん』と『こぱん』というキャラクター、そして『ぱぱんだっこ』という名前が生まれたのだ。

おそらく、妻のひとことがなければ、『ぱぱんだっこ』は生まれなかっただろう(あのころのわたしには、アプリにぱんだを使うという発想が、1mmもなかった)。

きっと、まったく違うアプリ──そう、たとえば『愛☆LOVE☆抱っこ』という昭和感とダジャレが満載のアプリになっていたのではないだろうか(それはそれで見てみたいと個人的には思うのだが)。そして、エピソード5の『テレビさんねんね ぱぱんだっこといっしょに寝かしつけ』や、今回リリースしたエピソード6のARで簡単・楽しくお片づけできるアプリ『パンダクリンAR』も生まれなかっただろう。

そう考えると、妻のあのひとことには感謝しかない。もちろん、そのあとも絵を描いたり、アイデアを出したり、テストをしたり、たくさんのことをしてくれて、ただひたすら感謝だ。

かくして、『ぱぱんだっこ エピソード4 〜The Origin〜』は、2014年夏に無事リリースされた。

To be continued.

 

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。

 

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ARで簡単・楽しくお片づけできるアプリ『パンダクリンAR』ついにリリース!

パンダクリンARとは

『パンダクリンAR〜ぱぱんだっこと楽しくお片づけ〜』は、iOS(iPhone、iPad)向けのアプリです。

パンダクリンAR 〜ぱぱんだっこと一緒にお片づけ〜
カテゴリ: ライフスタイル, 仕事効率化
価格: ¥240(記事掲載時)

とつぜんですが、お片づけで困っていませんか?

パンダクリンARは、AR(拡張現実)機能で、あなたのお片づけをサポートするアプリです。カメラをとおして、『現実のもの』と『整理された状態の写真』とを見くらべられるので、簡単・きれいにお片づけができます。

また、シンプルでわかりやすいアプリなので、小さなお子さんでも直感的に使うことができます。さらに、AR機能を使ったお片づけは、形や位置合わせゲームで遊ぶような感覚で楽しめるので、お片づけが苦手なお子さんにもおすすめです。

『ぱぱんだっこ』のかわいいパンダといっしょに、楽しく簡単にお片づけしましょう。

こちらの動画は、うちの六歳児が実際にパンダクリンARを使っているところです(出演協力、六歳児。サンクス!)。動画をご覧いただければ、小さな子どもでも簡単にお片づけできることが、伝わるかと思います。

また、上にも書いたように、パズルをとくような面白さがあるので、「もっとやりたーい」と言って、何回もお片づけをしてました。その様子を見て、三歳児も「あたちもやりたーい」と言って、お片づけをしていました。

簡単・楽しいパンダクリンARで、あなたのお片づけが便利になれば幸いです。

パンダクリンARは、こんなときに便利です

・家電製品など、複雑な収納品のお片づけに。
・幼稚園や小学校などの、カバンの中身の確認に。
・子どもがおもちゃをちらかして片づけてくれないときに。
・赤ちゃんのおむつや着替えなどの、お出かけセットの準備に。
・スマートフォンのケーブル類など、こまごました持ち物の忘れ物防止チェックリストに。

パンダクリンARの使い方

あなたの身の回りにある、『よく散らかしてしまうもの』、『まとめておきたいもの』、『収納が難しいもの』などを探してください。

見つかりましたか?
それでは、まずはがんばって片づけましょう。

さて、お片づけは終わりましたか?

それでは、『片づけた状態』の写真を撮って、パンダクリンARに登録してください。これで準備は完了です。

いつでも、心ゆくまで、思う存分ちらかしてください(パンダクリンARがあるから安心です)。

さあ、それではお片づけをしましょう。

先ほどパンダクリンARに登録したものを探しだして、タップしてください。AR(拡張現実)画面がクリンと現れます。AR画面のカメラには、『片づけた状態』と『現実のもの』がいっしょに写しだされます。『片づけた状態』と見くらべながら、『現実のもの』をひとつずつ整理していきましょう。
AR画面のカメラに写る『片づけた状態』と『現実のもの』が同じ状態になって、ふたつの世界が重なったとき、お片づけはおしまいです。

おつかれさまでした!

保護者のかたへ

このたびは、パンダクリンARを見つけていただき、ありがとうございます。

このアプリは、わたしと、妻と、そして三人の子どもたちといっしょに開発しました。
もともとは、なかなかお片づけをしてくれない子どもたちが、なんとか楽しくおもちゃを片づけられるようにできないか、と悩んだのが、このアプリの開発をはじめたきっかけです。
その後、約二年間の構想を経て、ようやくリリースすることができました。

小さなお子さんでも簡単に使えるように、なるべくシンプルな操作とわかりやすい画面を目指しました。
また、楽しくお片づけができるように、かわいいパンダの画像や、目を引くクリンアニメを採用しています。

このアプリが、少しでもあなたの育児の手助けになることを、育児仲間として切に願います。

おまけとプレゼントのお知らせ

URLスキーム『pandaclean://』を使ってアプリを起動できます。 ランチャーアプリなどを愛用してる方は、ぜひお使いください。

下記のプレゼントは締め切りました。たくさんのご応募ありがとうございました。

プレゼントの当選者はこちらの記事で発表しています。


さて、ここで、プレゼントのお知らせです。


この記事をツイートして、わたしのTwitterアカウント@toshi586014をフォローしてくださったかたのなかから、抽選で9名(クリンにかけて9名)のかたにパンダクリンARをプレゼントいたします。


(自分ではアプリを使わないけど、応援ツイートするよ、というかたや、自分で購入するからプレゼントはいいよ、という奇特なかたは、その旨をお知らせください。ぺこり)


締め切りは、2016年9月17日(土)の23:59です。


当選の発表は、このブログで行います。


プレゼントの発送は、TwitterのDMで行います。フォローがはずれているとお送りできないので、ご注意ください。その場合は別の方へのプレゼントになります。


たくさんのご応募をお待ちしております。

謝辞

アプリの構想を聞いてアドバイスをしてくれた、また、いつも応援してくれる、家族に関するグループブログ『ファミリーマネジメントジャーナル』の仲間たち。
とくに、その場をつくってくれたのりさん(@norixnori)に。

アプリ開発の良き仲間であり、またライバルでもある、アプリクリエイター道場のみなさん。
そして、その場をつくってくれている、あきおさん(@akio0911)、ゆこびん(@yucovin)、esumさん(@esum1527)。
開発中のアプリをさわって、たくさんアドバイスをくれたおおくにさん(おかげで細かいUIがとてもよくなりました!)。

便利なデータベースを提供してくださったRealmのみなさん(Realmのおかげで、開発効率がかなりあがりました)。

そして、いつもわたしを応援し、支えてくれる妻へ。また、ときにアプリ開発の邪魔をしつつ、いやしてくれるかわいい子どもたち。

みなさんの協力なくして、パンダクリンARは完成しませんでした。本当に感謝しています。

さて、今日(2016年9月16日)は、わたしがアプリ開発をはじめて999日目です。この999日のあいだ、一日たりともアプリ開発をしなかった日はありませんでした。

アプリ開発をしようと志したあのときに考えたアプリが、二年以上の年月を経てリリースできたのは、とても感慨深いです(くわしくは、こちらの記事を読んでくださいね)。

すべてはここからはじまった 〜ぱぱんだっこ伝説の誕生〜

アプリ開発という冒険のはじまり

そして、パンダクリンARを、今日リリースできたのは、1000日目を迎えて新たな一歩を踏みだすわたしへのプレゼントのように感じます。

この999日を糧に、次の2000日目を目指して、これからもアプリ開発を続けていこう。そう決意を新たにしました。

終わりに

今回の『パンダクリンAR』アプリもStudio Rainbow一家総出で開発しました。

『企画・デザイン・イラスト・プログラム』わたし
『イラスト・デザインアドバイザー・翻訳校正』妻
『テスト(もっとやりたーい)』六歳児
『テストサポート(あたちもやりたーい)』三歳児
『癒し(あーうー)』ゼロ歳児

『パンダクリンAR』は、うちのちびっ子たちも大喜びの自信作です。ぜひダウンロードして、お子さんと一緒に楽しくお片づけしてください。

そして、あなたの、また、あなたとお子さんのお片づけが楽しく簡単になって、あなたの人生に彩りがうまれれば、これにまさる喜びはありません。

それでは、これからも虹色工房(Studio Rainbow)をよろしくお願いします。

パンダクリンAR 〜ぱぱんだっこと一緒にお片づけ〜
カテゴリ: ライフスタイル, 仕事効率化
価格: ¥240(記事掲載時)


 

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。

 

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アプリ開発という冒険のはじまり

旅立ち

前回の『すべてはここからはじまった 〜ぱぱんだっこ伝説の誕生〜』では、アプリ開発体験会の前日譚を紹介した。

今回は、そのつづきからはじめよう。

さて、夜行バスに揺られて東京の地に降りたったわたしは、アプリ開発体験会に参加するために、会場がある渋谷へと向かった。

はじめての渋谷駅はまさにダンジョンで、これからアプリ開発という冒険に旅立とうとするわたしの行方を阻んでいた。

冒険者の地図(Google Maps)を片手に、数多くの魔物や罠を乗り越え、旅立ちの象徴である幸運のオブジェ(待ち合わせの犬の銅像)にたどりつくと、そこには冒険の仲間であるマロさん(@maro_draft)が力強くたたずんでいた。

アプリ開発体験会

結論から言おう。

『アプリ開発体験会は最高であった』、と。

時間にすると、ほんの数時間。

やったことは、講師のあきおさん(@akio0911)に言われるがままにMacを操作して、あらかじめ用意されたプログラムをコピペするだけ。

たった100字たらずに要約できてしまう、この数時間のできごとが、文字どおりわたしの人生を大幅に変えてしまった。

それほどまでに、アプリ開発の体験は、わたしに多大なる衝撃と影響を与えた。

いったいわたしは、アプリ開発体験のどういうところに衝撃と影響を受けたのだろうか?

よくわからない文字の羅列が、Macを操作するだけで、いつもiPhoneの画面で見ているようなアプリになって動きだす。この魔法のような不思議さに魅了されたのだろうか?

それとも、(コピペとはいえ)たった数時間の作業でアプリができてしまう。そこに、自分でも出来るかもしれない、という可能性を見いだしたのだろうか?

はたまた、ただ単純に、未知のものへの好奇心だろうか?

理由はともかく、わたしはあっという間にアプリ開発のとりこになっていた。

どのくらいとりこになっていたかというと、アプリ開発体験会が終わったその場で、あきおさんが東京で開催しているアプリクリエイター道場(通称アプリ道場)に申し込みをしたくらいだ。

余談ではあるが、わたしは関西在住なので、アプリ道場を受けるためには、はるばる東京まで行かなくてはならない。しかも、このときのわたしは無職だったのだ。これらの事実から、わたしがいかにアプリ開発に夢中になったのか、おわかりいただけるのではないだろうか。

アプリ道場

アプリ開発体験会から2か月ほど経過した、2015年2月。

わたしは再び関西から東京まで、夜行バスにゆられて旅をしていた。

この2か月は、いままでの人生で一番待ち遠しい時間だった。アプリ開発の本を片手に、毎日Macとにらめっこしながら、遠足を楽しみにする小学生のように、アプリ道場が開催される日を心待ちにしていた。

夜行バスの固い椅子もなんのその、わたしは東京の地に降りたつと、重い荷物を背負いながら、軽い足取りで会場へと向かった。

いざアプリ道場がはじまると、そこでは予想以上の楽しさが待っていた。それらすべてを書くと長くなりすぎるので、今回は、あるひとつのエピソードだけを紹介しよう。

アプリ道場のレポートは、こちらに綴っているので、興味がある方はご覧いただきたい。アプリ道場の楽しさはもちろん、講師のあきおさんの素晴らしさが、きっと伝わるだろう。

独学では得られないワクワク感と丁寧な指導に歓喜した!アプリクリエイター道場の一日目を終えて。

iPhoneで自分のアプリが動いたよ!アプリクリエイター道場の二日目を終えて。

アプリをリリースするまでがアプリ道場です。アプリクリエイター道場の三日目を終えて。

アプリ開発をはじめたいあなたへ 〜楽しくアプリ開発を学べる『アプリ道場』潜入レポート〜

さて、アプリ道場では、講師のあきおさん以外に、esumさん(@esum1527)となりたさん(@motokiee)がアシスタントを担当されていた(esumさんは、とれすぽやふりとれなど、子どもも楽しめるアプリを19個も!リリースしている、アプリ道場のお父さん的素敵男子だ。なりたさんは、App Storeのベスト新着にも掲載された、リボカメというカメラアプリのイケメン開発者だ)。

人数の関係で、わたしはアシスタントのなりたさんと、ペアプログラミングをすることになった。

本題とは少しそれるが、ペアプログラミングとは──アプリ道場の特徴のひとつでもあるのだが──ふたりひと組になってアプリのアイデアを出し合い、交代でプログラミングしていくものだ。ふたりひと組ですることによって、ひとりでは気がつけなかった視点を得られたり、相手に教えることで自分の考えが整理されたりもする。実践的で勉強になるし、とても楽しい時間だ。

さて、そのペアプログラミングで、わたしはなりたさんとペアになった。なりたさんは、(おそらくアシスタントだから気をつかってくれて)わたしがつくりたいアプリを開発しましょう、と言ってくれた。その言葉を聞いてまっさきに頭に浮かんだのは、バスのなかで考えた、そして、ファミリーマネジメントジャーナル仲間に熱く語ったアプリ──ではなく、別のアプリのアイデアだった。

このとき、なぜ別のアプリを選んだのか。

それは、いまとなってはわからない(ここで選んだのが、バスのなかで考えたアプリだったら、それはドラマティックでお話的には盛りあがるのだが、人生は常にドラマティックとは限らないものだ)。ともあれ、わたしはそのアプリを、なりたさんと一緒につくりはじめた。

なりたさんはすでにアプリ開発経験者だったが、わたしにとっては、はじめてのアプリ開発なので、デザインをする余裕などはまったくない。わたしは、なりたさんのアドバイスをたよりに、頭に思い描いている機能を、なんとかかんとかプログラムに変換していった。

やがて、ペアプログラミングの時間が終わると、Macの画面にはひとつのアプリがあった。飾りどころか色すらつけていない、ただただまっしろな背景に、文字を入力する欄や、文字を表示する欄や、ボタンがいくつかあるだけの、とてもシンプルなアプリだ。

しかし、紛れもなくそのアプリは、わたしがはじめて自分のアイデアを形にした、記念すべきアプリだった。

このときのアプリがのちに『ぱぱんだっこシリーズ』第一弾となるとは、そして、ぱんだをつかったアプリを開発することになるとは、このときのわたしは予想だにしていなかった。

To be continued.

 

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。

 

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すべてはここからはじまった 〜ぱぱんだっこ伝説の誕生〜

アプリ開発体験会へのバス旅行

2013年12月。

わたしは、関西から東京まで、夜行バスにゆられて旅をしていた。

なぜ、わざわざ東京まで行くのか?

その問いにこたえるためには、少し時間をさかのぼらなくてはならない。

アプリ開発への道はいかに開けたか

会社を退職したわたしは、自分のやりたいことを探すため、ハローライフに通って就職支援面談をうけていた。

どんな仕事をしたいのか?
自分にできることはなにか?
就職で優先することはなにか?

面談では、そういったことを話し合って、今後の進路を決めようとしていたのだ。

そんなある日のこと、就職支援面談で『アプリ開発をやりたい』という言葉がポロリと出てきた。それまでの何回かの面談では、小説家になりたい、育児に関する仕事をやりたい、とくりかえしてきて、アプリ開発なんてひとことも言ったことがなかったにもかかわらず、だ。

その言葉を発したときの気持ちを表現するなら、『ひょうたんから駒』という言葉がふさわしい。そのくらい『アプリ開発をやりたい』という言葉は、突拍子もないように感じられた。

子どものころからパソコンが好きで、MacやiPhoneが大好きで、アプリも大好きなのだから、『アプリ開発をする』という選択肢は、ごく当たり前のように思える。しかし、面談のときまで、自分でアプリをつくるという選択肢は、まったく考えたこともなかった。

いや、それはやや誇張が過ぎる。あまりにもドラマティックな記憶の改変だ。

じつは、アプリ開発をしたいと思ったことは、あった。といっても、テレビの画面に映るヒーローを見て、自分もああなりたい、と思うくらいの気持ちだ。どこか本気ではないような。そのときが来ないことはわかっていながら、いつかそうなれたらいいなと願うような。そんな、気持ちだ。

しかし、面談のときは、違った。

『おまえはアプリ開発をすべきだ』、とお告げを聞いたかのように、アプリ開発をしてみようと思ったのだ。

本気で。

なぜだろうか? いまだに、その理由はわからない。

もしかしたら──これは、ほんの思いつき程度という気持ちで聞いてほしい──じつは、ずっと前からアプリ開発をしたかったのかもしれない。それなのに、『自分にはできない』と、勝手にその気持ちにフタをして、気がつかないフリをしていただけなのかもしれない。

ハローライフでの面談で、そのフタをそっと開けてもらったのではないだろうか。そして、いままで、ためにためて熟成された気持ちが、いっきにあふれでたのではないだろうか。

理由はともあれ、わたしはアプリ開発に挑戦することを、固く心に誓った。

どのくらい固く誓ったかというと、その翌日に、東京で開催されるアプリ開発体験会に申し込みをして、さらにはMacを購入したくらいだ。

ふたたび東京行きのバスのなか

いよいよ、アプリ開発への第一歩を踏みだした。そのことに興奮して眠れないわたしは、ある夢想をしていた。

『もし自分が、アプリ開発をできるようになったら、どんなアプリをつくっているのだろうか?』

小説を書きたいから、物語のあるアプリがいいかな。育児に係わる仕事もしたいので、子ども向けのアプリもいいかな。子ども向けのアプリをつくるとしたら、育児で困っていることを解決できるアプリがいいかな。自分が育児で困っていることはなんだろう? あんなことやこんなことがあるけど……。

そうだ! これだ!

かすかな寝息とバスの振動のなか、わたしはひとり興奮していた。すでに電気が消えて暗くなったバスのなかで、アプリのアイデアがひときわ輝いている。そうか、わたしはそういうアプリをつくりたいんだ、と。

東京にて

東京に着いたわたしは、家族に関するグループブログ『fmj(ファミリーマネジメントジャーナル)』を通じて知り合った仲間たちに会いにいった(みな、わたしが東京へ行くことを知って、集まってくれたのだ。さらに、のりさん@norixnoriがクリスマスプレゼントにと、写真の花束とモバイルバッテリーを用意してくれた。このモバイルバッテリーは、いまでもお気に入りで愛用している)。そして、バスのなかで考えたアプリのアイデアについて、熱く語った。

みな真剣な面持ちで話を聞いてくれた。さらに、それならこういうアイデアもいいかもしれないね、とアドバイスまでしてくれた。

わたしは、アドバイスを忘れないようにメモに書きとめると、素敵な仲間たちに別れを告げ、アプリ開発体験会へとむかった。これから出会えるであろう、素晴らしい人生に思いをはせながら。

バスのなかで考えたこのアプリが、二年以上の時を経て完成することになるとは、このときのわたしは予想だにしていなかった。

To be continued.

 

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。

 

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ぱぱんだっこティザーサイト

あの『ぱぱんだっこ』が、三度アプリ界にやってくる。

2014年夏。

ぱぱんだっこエピソード4 〜The Origin〜

子どもを洗脳することで、未来の世界を牛耳ろうとする帝国軍に対し、反乱軍はパパと子どものスキンシップを駆使して抵抗していた。
体重を測るときに、スキンシップが最大の効果を発揮することを知った笹姫は、伝説の戦士KOPANがいるという星へと旅だった。
笹姫は、なんやかんやありながらも、無事に伝説の戦士KOPANと出会うことができた。
そして、伝説の戦士KOPANは、体重計型戦闘機T-65kg X-Weightingを乗りこなし、反乱軍とともに帝国軍の要塞SHIBOU STARを打ち破ったのだった。

To be continued

2016年冬。

ぱぱんだっこエピソード5 〜ぱぱんだっこ on TV〜

帝国軍の要塞SHIBOU STARを打ち破って勢いに乗る反乱軍は、この戦いに終止符を打つべく、各地でいっせいに蜂起した。
しかし、それこそは帝国軍の狙いであった。帝国軍は、子どもたちの寝付きを悪くするための新兵器『OMOSHIROY-TOY』を開発し、じわじわと反乱軍の眠りを奪っていった。睡眠不足により判断力が鈍り、窮地へと追いやられる反乱軍。
そのとき、伝説の戦士KOPANが、再び立ち上がった。彼は、ぱんだ型睡眠導入機『Mr.TV NENNE』を発明し、帝国軍の新兵器『OMOSHIROY-TOY』を片づけながら、子どもたちを寝かしつけることに成功した。
さらに勢いを増す反乱軍。伝説の戦士KOPANは、ついに、帝国軍の司令官『DARTH OTOUPAN』を追い詰めたかに見えた。
あと一歩で戦いが終わる。誰もがそう思ったとき、帝国軍の司令官DARTH OTOUPANは、衝撃の事実を告白した。
「伝説の戦士KOPANよ。おまえはわたしの息子なのだ」
その言葉にひるんだ隙を突かれ、ぱんだ型睡眠導入機『Mr.TV NENNE』を奪われたKOPANは、DARTH OTOUPANによって安眠させられ、反乱軍は総崩れした……。

To be continued

そして、2016年秋。

ぱぱんだっこエピソード6 〜ぱぱんだっこ AR〜

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エピソード6.1

勢いに乗る帝国軍は、着実にその版図を広げていった。このままでは、この世界は帝国軍のものになってしまう……。そんなあきらめにも似た気持ちが世の中をおおっていた。
しかし、反乱軍は生き残っていた。ぱんだ型睡眠導入機『Mr.TV NENNE』によって眠らされた伝説の戦士KOPANは、笹姫によってひそかに安全な場所へと移されていたのだ。
『まだ伝説の戦士は生きている』というかすかな希望を胸に、帝国軍と戦う反乱軍たち。しかし、その希望は『もしかしたら、このまま目をさまさないかも』という不安と背中合わせだった。
希望と不安が入り混じった反乱軍は、その胸中を反映するかのように、ジリジリと後退していく。
やはり、伝説の戦士KOPANを目覚めさせなくては! 笹姫は、世界中から集めた情報をたよりに、マスターYODAREのもとをたずねた。
「どうか、伝説の戦士KOPANを目覚めさせてください。そのためなら、なんでもします!」
笹姫の悲痛な叫びが、こだまする。マスターYODAREは、長時間の沈思を終えると、静かに口を開いた。
「笹姫よ。本当に何でもする覚悟があるのかな?」
「もちろんです」
笹姫の瞳には、覚悟の色が宿っていた。それを見抜いたマスターYODAREは、ふところから小さな機械を取りだした。
「よいか、この機械は『パンダクリンAR』というものだ。これをおぬしたちが使えれば、必ずや、そなたの思い人も目覚めよう」
「どうやって使えばいいのですか?」
「パーンスの導くままに」
「パーンス?」
「そなたの心に問うのだ。いま、必要なことはなにか? 思い人が眠りについた哀しみで、荒れた部屋をどうすべきなのか? とな」
「いま、必要なこと、荒れた部屋……。ハッ!」
「そうじゃ、そのとおりじゃ。あとは、おぬしのなかのパーンスが、すべて教えてくれるじゃろう」
「マスターYODARE。ありがとうございます」
笹姫は、『パンダクリンAR』を大切にしまうと、息をするのももどかしい気持ちで、来た道を引き返した。
伝説の戦士KOPANが待つ、あの荒れた部屋へと……。

To be continued.

エピソード6.2

笹姫は、伝説の戦士KOPANが眠る部屋にもどると、ゆっくりと部屋のなかを見まわした。
ああ、なんて散らかっているんだろう。
笹姫は、足の踏み場もないほどモノが散乱する様子に嘆息した。「まるで、わたしの悲しみがあふれたかのようだわ……」そうつぶやくと、笹姫は、ふところから『パンダクリンAR』をとりだした。
マスターYODAREは、「パーンスの導くままに、そなたの心に問うのだ」と言われた。
笹姫は、マスターYODAREの言葉を胸に、自らの心に問いかける。いま、必要なこと。それは……。
お片づけ!!!
この荒れた部屋を片づけなくては。
散らかったモノを片づけなければ、伝説の戦士KOPANは目覚めない。わたしのパーンスは、そうささやいている(笹姫だけにささやいている、ふふっ)。
笹姫は、『パンダクリンAR』を起動すると、カメラを部屋にむけた。
「見える! 見えるわ! この部屋のあるべき姿が! 片づいた状態が、『パンダクリンAR』によって写し出されている」
そうか、このとおりに片づければいいのね。笹姫の目に希望の光が宿る。『パンダクリンAR』は、片づけをサポートしてくれるのだわ。あとは、わたしが手を動かすだけ。
笹姫は、「さあ、やるわよ」と心の中でつぶやくと、袖をまくりあげて、せっせと部屋を片づけはじめた。心のなかにあるパーンスと、片手に持つ『パンダクリンAR』とともに。

To be continued.

エピソード6.3

「ようやく片づいたわ」
笹姫は、額の汗をぬぐうと、グルリと部屋を見まわした。そこには、先ほどまでとはうってかわって、理路整然とした世界が広がっていた。
そう。パーンスの導くままに『パンダクリンAR』を使いこなした笹姫は、あの荒れ放題だった部屋を見事に片づけたのだ。
笹姫は、目を細めて『パンダクリンAR』を見つめながら「これを使ってお片づけするのは、兄様(あにさま)とパズルで遊んでいたときみたいに楽しかったわ」とつぶやいた。そして、幼少のころに生きわかれた兄を思いうかべた。とはいっても、顔すら覚えていないほどの、ほんのかすかな思い出だ。
兄の顔がぼんやりと浮かぶような気がしたそのとき、部屋の真ん中にあるベッドがかすかにきしんだ。笹姫が顔を向けると、ベッドの上に横たわっていた、伝説の戦士KOPANが起き上がっているではないか!
「ああ、KOPAN!」
笹姫は、たまらず駆けよると、ひしとKOPANに抱きついた。KOPANは、まだぼんやりしているのか、目の焦点があわない様子でつぶやいた。
「サーサ」
「えっ? KOPAN、いまなんとおっしゃいましたか?」
「いや、なんでもない。すこし、頭がぼんやりしているようだ」
「しばらくおやすみくださいませ。すぐに飲み物をお持ちします」
そう言うと、笹姫は立ち上がった。しかし、笹姫の耳の中では、先ほどのKOPANの言葉がこだましていた。
「サーサ……」
笹姫は、幼いころの記憶をたどった。そうだ、パズルが完成したとき、兄様が、わたしの頭をなでながら、そう呼んでくれた。「サーサは、かしこいな」と。
記憶とともに、胸の中からあふれそうな想いを、しかし、笹姫はグッと自らのなかにおさえこむ。いまは──いまはまだ、そのときではない。いまは、反乱軍のリーダーとして、伝説の戦士KOPANとともに反乱軍をひきいて、帝国軍に打ち勝たなくてはならないのだ。
そのなかに大切な思い出がしまわれているかのように、笹姫は『パンダクリンAR』をやさしく抱きしめたあと、静かにふところにいれた。
顔をあげた笹姫の目には、先ほどまでの柔らかさはもうなかった。そこには、断固たる意志と予感めいた光がきらめいている。
帝国軍との決戦の日は近い、と……。

To be continued.

『あなたは、白と黒の奇蹟を目撃する』

Now on sale!

ARで簡単・楽しくお片づけできるアプリ『パンダクリンAR』ついにリリース! | はれときどきくもりZ

2017年夏。

ぱぱんだっこエピソード7 〜こぱんたっぷAR〜

Coming soon!

各紙の声

『It’s amazing Panda!』(UsoDayo Times)
『This is legend in 22th century』(Panda week)
『Panda saikou!』(笹竹小学校新聞)

ユーザーの声

「お片付けの秋に丁度良い」
「アイコン可愛くて、このカメラほしい」
「ARで、「お片づけ」もゲームに!お片づけが楽しくなる魔法のアプリ!?」
「着眼点が面白いですね!」
「これはナイスアイデア! 初期の状態を保存するのはやってるけど、それを現実に重ねるという発想はなかった」

「もっとやりたーい」(六歳児)
「あたちも、もっとやりたーい」(三歳児)
「あーうー」(ゼロ歳児)

動画紹介

『パンダクリンAR』の動画はこちら(YouTubeのサイトへ移動します)。

開発者の声

「ええ、そうです。あれはまさに運命でした」

「勇気を持って一歩を踏み出すことができたのは、仲間たちのおかげです」

すべてはここからはじまった 〜ぱぱんだっこ伝説の誕生〜 | はれときどきくもりZ

「ええ、そうです。あの数時間の体験が、わたしの人生を変えたのです」

「これがわたしのアプリクエストの原点です」

アプリ開発という冒険のはじまり | はれときどきくもりZ

「ええ、そうです。妻のひとことがなければ『ぱぱんだっこ』はうまれてこなかったでしょう」

「これがぱぱんだっこの原点です」

なぜぱんだなのか? 〜ぱぱんだっこはこうして生まれた〜 | はれときどきくもりZ

晴れた日も、曇った日も、素敵な一日をあなたに。

本を出版しました!

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